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国立大学法人 浜松医科大学

大学紹介

University Introduction

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学長メッセージ

今野学長

 浜松医科大学は開学46年になります。卒業生は昨年度までに医学科 4,169名、看護学科 1,495名に達し、地域医療のみならず、全国の医療の現場や研究分野、行政関係などで活躍しています。建学の理念に謳われているように、「良質な医療人を育成し、独創性のある研究成果を世界に発信し、地域医療を中核的に担う」ことが、私たちの使命です。この理念は開学してから半世紀近くを経て、医療や看護の高度化、専門化が顕著な現代でも、聊かも揺るがない高邁な精神を謳った理念であり、大学運営の羅針盤と言えます。
 国立大学の法人化から16年経ちました。大学の運営全般に渡って学長のリーダーシップが強化されると共に、責任も飛躍的に増大しましたが、この間私を含め、3代の学長が中心となって教職員と共に多くの改革を進めてきました。医師?看護師?保健師国家試験において高い合格率を維持しながら、地域の医療に貢献する優れた医師?看護師を養成し、独創性のある研究を展開すると共に、産学官連携など本学独自の「強み」を発展させてきました。
 第3期中期目標期間に入ってからは、国立大学法人の使命である、教育、研究、診療を中心として、社会貢献や時代を見据えた改革を推進し、各分野の深化を図ると共に、良好な病院収益などにより、計画的な大学施設の新築や改築、インフラの整備などを切れ目なく行っています。
 教育においては、個別入試の比重を高め、面接にプレゼンテーションを実施し、「記憶力」から「論理的思考力、判断力、表現力」へという国の方向性を先取りしてきました。また、ディプロマポリシー(学位授与基準)を改訂し、医学?看護学の基本的な知識と技術を身に付けた上で、自ら課題を抽出し、解決する能力を修得することを明確にすると共に、患者中心のチーム医療を実践するために必要な、豊かな人間性と高い倫理観及びコミュニケーション能力を明記しました。さらに、リサーチマインドの涵養をあげ、3年時の基礎配属などで研究に従事させるなど、科学的な見方、考え方を継続的に教授しています。医学科、看護学科共に大学教育の質保証を目的として、新たなディプロマポリシーに沿った新カリキュラムを構築し、参加型臨床実習の時間を増やしました。また、国際感覚を身に付けた医療人の育成に必須と言える実践的英語能力涵養のため、留学生との交流の機会を設け、さらに全学生に国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)を受験する機会を提供しています。このような取り組みにより海外で研修する学生は年々増加していますが、昨年度より国際化推進センターを設置し、専任教員を配置するなど、本学及び海外からの学生の利便性を向上させ、一層の国際教育、国際的学術交流の推進を図っています。
 大学院教育においても、医学系研究科では海外の学生を含め常に定員以上の応募があり、優れた大学院生の確保が可能となっています。さらに、令和3年度には修士課程看護学専攻において老年看護の専門看護師育成コースを開設予定です。令和4年度には博士課程開設を目指しており、看護学科においても、専門性の追求や高度な人材育成を目指した教育を推進しています。 
 研究面では、本学の「強み」として光医学研究と産学官連携が挙げられます。研究開発と人材育成の機能を強化するため、光尖端医学教育研究センターを設置し、「細胞からヒト」までのシームレスなイメージング?コンプレックス体制で、基礎医学から診療までの研究を展開しています。また、大学院に博士後期課程(光医工学共同専攻)を設置し、光医学を基礎とした医工連携分野に精通した光医工学の高度専門人材の育成がスタートしています。さらに、地域における産学官連携を深化させるために、産学連携?知財活用推進センターを設置し、大学間、行政、金融、基幹病院との連携を強化していきます。常勤教員当たり研究業績数や科研費獲得額?件数は国立大学でも常に上位に位置しています。
 附属病院は安全で高度な医療を行うことを第一のミッションとしています。経営状況は極めて良好で、病院の使命を十全に果たしながら、手術件数など多くの指標が国立大学の中でもトップランクに位置しています。手術件数の増加等に対応し、令和3年度には最新の手術室や放射線治療室、内視鏡室、新生児治療室などを備えた機能強化棟が竣工します。また、卒後教育の充実にも積極的に取り組んでおり、卒後教育センターでは、初期研修から専攻医研修まで一貫した支援を行っています。さらに看護師特定行為研修センターを開設し、チーム医療の促進のために医療安全のもと特定行為を行う看護師を育成しています。このような取り組みにより、医療?看護の質の向上に繋がると期待しています。
 地域貢献としても、西部地区のみならず、静岡県全体の医療の主導的な役割を担っています。既に静岡県の勤務医の約3割を浜松医大卒業生等、医局関係者が占めており、600床以上の大病院3施設を含め、30人近い病院長を輩出しています。そのほかにも、県医師会理事や市町の医師会長、県や市町の医療行政の幹部として浜松医大関係者が活躍しています。直近では医学科卒業生の64%、70名以上が県内に残っており、全国的にも地元定着率が極めて高い大学です。
 注目されている静岡大学との大学再編を伴う新法人設立は、いろいろな困難を乗り越えながら令和4年度新大学設立を目指して、関係者が一丸となって尽力しています。浜松に創設する医学?工学?情報学の3学部を有する新たな大学は、独創的な医療機器の開発や医療システムの構築、さらにはデータサイエンスを活用した予防医学及び検診体制、AIを活用した救急?遠隔医療などSociety 5.0における医療の在り方を提案できると考えています。この新大学が核となり、「健康寿命トップクラス」である地域特性を生かし、少子高齢化社会における新たな産業の創出や、地域創成における「知の拠点」を目指したいと考えています。
 現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で蔓延し、人類社会に極めて深刻な影響を及ぼしていますが、本学においては、幸いなことに、医療従事者や学生には感染者は未だ発生しておらず、現時点で最も重要な私たちのミッションである、診療が継続できています。救急を含む外来診療も手術などの入院診療も概ね順調に行われています。いち早く感染対策を徹底したことや、防疫意識の高さなど、偏に附属病院関係者の不断の努力による賜物です。 教育に関しては、4月上旬からオンライン授業を開始したため、ほとんどカリキュラムの遅れがありません。オンライン授業も教員と学生、双方の経験値が上り、次第に内容に富んだ授業ができるようになりました。学生も遠慮なく意見を言えるなど、オンラインならではの利点も明確になってきました。解剖実習は既に予定通り行われており、今後グループディスカッションなどの対面授業も開始されます。今後は対面とオンラインの優れた点を取り入れた「ハイブリッド」形式で授業を行う予定です。
 特筆すべきこととして、本学では東海、北陸地区大学で唯一5,6年の臨床実習が継続されています。これも病院関係者の理解と支援によるものですが、このような緊迫した状況だからこそ、医療人の資質を涵養できる機会であると思っています。
 今回のコロナ禍では教職員、学生全てが全面的に防疫対策に協力し、「チーム浜松医大」としての真価を発揮してくれましたが、今後も一人一人が自らの責務を果たす中で、自らの夢を持ち、実現するために努力する、それが結果的に浜松医大の持続的な成長に繋がる、そんな組織でありたいと願っています。


         令和2(2020)年 5月  
学 長  今 野 弘 之
(KONNO Hiroyuki)